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 なんか書いとくか。


村上春樹読んでます。村上春樹がオタクの間接的なお父さんであることは疑いようのない事実として全人類に共有されていることと存じますが、この度その事実をさらに強固なものに、つまり宇宙的真実とする衝撃的な記述を発見しました。この記事は、その報告として入念に準備され作成されています。

今回読んだのは『海辺のカフカ』です。今作は同作家の主著『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』と同様、一章ごとに主人公Aと主人公Bが交代する、二大政党制を採用しています。舞城王太郎も『ジョージ・ジョースター』において同じシステムを採用していますが、このシステムはいったいどこからやってきたものなのでしょうか?わたしは村上春樹と舞城王太郎以外の文章を一切読まないし、これからも読むことはないので、その疑問が解けることはありません。しかし一方で、後悔もありません。それが、私の生き方なのだから。


さて、問題の記述は物語半ばに見られます。すげー大まかに説明すると、オイディプスコンプレックスに悩まされる「田村カフカ」という名前の少年(確か田村だったと思う…)が、東京で父親の財布から金を盗んで四国にある私設図書館に遊びに行くんだけど、最初ビジホに泊まりまくってたカフカはすぐ文無しになっちゃって、いろいろあったのち図書館の親切な司書オーシマに説明したらなんと図書館で働かしてもらえることになってラッキー!ってなってカウンターに座ってたら、謎の女二人組がきて、カフカの隣に座ってるオーシマにこう言う。

「おいこの図書館、女性トイレがない。よくない。われわれは公共施設を見て回っているのだ」

そしたらオーシマはこんな返し

「ここは小さい図書館で、トイレを増やすスペースはない。ジェット機だってトイレは男女兼用だ。こんなところにくるより女性の権利を実現するためのまともな方法はいくらでもあるだろう」

そしたら二人組はこう返す

「あなたは女性を二級市民に貶める典型的男性だ。話題逸らしだ」

するとオーシマは、こう、笑いだす。「クックっく…典型的男性ね...」。???

なんと、オーシマは女性身体を持つ男性で、恋愛対象も男性だった。彼は典型的男性とは程遠いマイノリティだったのだ(?)。それを知り、ピエーっと退散していく女二人組。


これはねえ、予言の書と言っていいでしょう。自分たちにとって都合のいいふるまいをしてくれるマイノリティキャラクターと、同様に都合よく愚かに造形されたフェミニストたち。そしてペンを握るヘテロの男性。藁人形論法は、伝統芸能であり、我々はみな、村上春樹の子供たちなのです。さあ、踊りましょう!藁の手を握れ!



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まじめな話、どれくらいこの「フェミニスト」像が当時どれくらい妥当だったのかはぜんぜんわかんないわけだけど、すくなくともある種の不寛容を皮肉る描写のためにフェミニストを使うという「ウィット」は当時から嫌がられてたんじゃないかとは思う。いっぽうで、現代からみて煽る今回のわたしの書いたような「読み」は、あんまりフェアじゃないとも思います。

そーいやNHK集金人についても書いてたな…と思って調べたら、きっちりNHKをぶっ壊すの人たちがブログで村上春樹を紹介していて、こりゃもはや冗談にもならないなと悲しくなってしまった。おれの今回の記事は、現実のやばびとたちにとっくに追い越されてたってワケ。知るかよ。


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